【知らないと損!】学資保険にかかる税金を0円にするテクニック


学資保険を使ってお金を貯めようとしている人は、できるだけ多くのお金を受け取りたいと思っている人が多いのではないでしょうか。

せっかく長年かけて貯めてきたお金が、税金の支払いで消えてしまうとなんだか悲しいですよね・・・。

そこで今回は、学資保険で、余分な税金の支払いが発生しない加入の仕方や、保険金の受け取り方をまとめてみました。

学資保険の特徴を最大限に生かし、効率よく貯蓄したい人は、ぜひ参考にしてください。

学資保険は契約者が一括受取りすると税金がかかりにくい

学資保険は、保険金を受け取る人や、保険金の受け取り方によって、所得の区分や課税される税金の種類や金額が変わるので注意しましょう。

まず保険金の受取人と契約者の関係によって、課税される税金が以下のように変わります。

  • 同一の場合:所得税
  • 別々の場合:贈与税


このとき、所得税の方が贈与税よりも税金の額が少なくなる傾向にあるので、受取人は同一にする方がおすすめです。

そして保険金の受け取り方によって、所得の区分が以下のように判定されます。

  • 一括受取:一時所得
  • 分割受取:雑所得


2つの所得を比べると、一時所得の方が雑所得よりも税金がかかりにくいため、保険金は一括で受け取るのが良いでしょう。

以上の理由から、契約者と受取人を同一にし、保険金を一括で受け取る組み合わせが最も税金がかかりにくいといえます。

学資保険にかかる税金は所得税か贈与税かで計算方法が全然違う

モデルケースを元に、所得税と贈与税の計算をそれぞれ解説していきます。

◯保険金を一括で受け取った時の所得税の計算方法
以下のケースで計算をしてみましょう。

  • 満期保険金:200万円
  • 払込保険料総額:1,869,158円
  • 返戻率107%

保険金の一括受取は一時所得なので、課税の対象になる額は、以下の式に当てはめて計算します。

(満期保険金額-累計払込保険料-50万円)×1/2

このように一時所得は、増加した額のうち50万円を引いた残りの半分が課税対象。

実際に一時所得を計算してみると

(200万円-1,869,158円-50万円)×1/2=-184,578円

このようにマイナスとなる一時所得は0円となり、税金はかかりません。

増えた額が50万円を超えない限り、税金はかからない」と、覚えておくといいですね。

一時所得が発生する<保険金額と返戻率のボーダーライン>を計算しておいたので、学資保険を選ぶときの参考にしてください。

■保険金額と返戻率のボーダーライン

満期保険金額 払込保険料総額
(保険金額-50万円)
一時所得が発生する
返戻率
200万円 150万円 133%
300万円 250万円 120%
400万円 350万円 114%
500万円 450万円 111%

上記の表の、受け取り率を上回る学資保険に加入した場合に、一時所得が発生しますので注意しましょう。

しかし、現在販売さている学資保険の受取率は、最大で110%弱であることを考えると、学資保険で一時所得が発生する可能性はとても低いです。

◯贈与税が課税される場合の計算方法
贈与税の計算方法は、受け取った保険金の額から110万円を引いた残りの額に所定の税率が課せられます。

上記の所得税を計算した時と同じケースで計算すると、以下のような結果でした。
200万円-110万円=90万円

贈与税の税率は下記のサイトにある通りで、200万円以下の場合は10%が課税。

このため贈与税は、
90万円×10%=9万円
となり、所得税の場合と比べて、納税額がかなり高額です。

さらに、このケースで学資保険によって増加した額は、
200万円-1,869,158円=130,842円。
このうち9万円も税金で取られると、返戻率が実質102%ほどになるため、学資保険の『効率よく貯めながら増やす』というメリットは感じにくくなりますね。

また、贈与税が発生しないためには、満期保険金額を110万円以下に設定しなければなりません。

しかし、子供が国立大学に進学した場合の学費は、文部科学省の発表によると250万円程度必要で、私立大学の場合はさらに高額となります。

よって、110万円という額は、備える教育費としてはとても少ないといえるでしょう。

◯契約者と受取人は同一にするのがおすすめ
贈与税は所得税よりも発生しやすく納税額が大きい、ということが上の説明で分かりましたね。

余分な税金が発生してしまうと、手元に残るお金が減るため、収入が下がってしまうのと同じ状態です。

収入を数万円増やすのはなかなか難しいですが、少し意識するだけで、手元に使えるお金を数万円増やすことができます。

このため学資保険を契約する際は、できるだけ契約者と保険金の受取人を同一にして契約し、贈与税が発生しないようにしましょう。

学資保険を分割で受け取ると雑所得になり税金がかかりやすくなる

分割受け取りとは、例えば保険金額が200万円だった場合、子供が大学に進学した年から毎年50万円ずつを4年間に分けて受け取るという方法です。

どれだけ税金がかかりやすいのか、具体的に計算して確認してみましょう。

◯雑所得の計算方法
雑所得は以下の計算式で求められます。

雑所得=総収入額-必要経費

これを学資保険の場合に当てはめると、以下の通りです。

学資保険の雑所得=学資年金額-(保険料総額 ÷ 年金受取回数)

例えば、先ほどの一時所得を計算する際に用いた例を元に、計算してみましょう。

  • 保険金受取総額:200万円
  • 受取年数:5年(毎年40万円を5年間に分けて受け取る)
  • 保険料払込総額:186万円
  • 受取率:107%

この場合、雑所得の額は
40万円-(186万円÷5)=28,000円
となります。

一時所得のように、50万円の控除はなく、基本的にこの金額の全てが課税の対象のため、税金が発生しやすいのです。

◯課税対象となる雑所得額は職業により異なる
雑所得は職業により課税される額が異なります。

例えば会社員の場合、給与以外に雑所得があっても、20万円までは確定申告しなくていい=税金を収める必要はありません。
(20万円超える時は確定申告する必要があるため、全ての所得が課税の対象です。)

ただし自営業には、この仕組みがないので雑所得がまるまる課税の対象となります。

また、専業主婦の場合もこの非課税枠がありませんが、収入の額が基礎控除の範囲内であれば税金が発生しません。
※基礎控除の金額は後で具体的に説明しますね。


◯自営業の場合の雑所得に課税される額を計算
雑所得には、所得税と住民税の2つが課税されるため、それぞれの計算が必要です。

まず所得税がいくら課税されるかは、契約者の年間の収入によるのですが、仮に税率を5%とした場合、
28,000円×5%=1,400円。

住民税の課税率は一律10%のため
28,000円×10%=2,800円。

このため、年間で発生する税金の合計は、所得税と住民税を合計して4,200円で、5年間で21,000円となります。

そして税金の支払いを考慮した実質の受取率は

200万円÷(186万円+2.1万円)=106.3%

となり、本来の受取率の107%から1%近く低下してしまいます。

分割受け取りタイプの学資保険で税金を0にする方法
契約者と受取人を両方とも専業主婦(夫)である妻もしくは夫にすると、分割受け取りタイプの学資保険で税金を0にできる可能性があります。

年間の収入のうち38万円(住民税は33万円)までは課税を免除される基礎控除という制度があります。

このため、収入がないか少ない人を契約者・受取人にしておくと、保険金で数万円の雑所得を得ても、基礎控除の額内におさまり、税金が発生しません。

ただし、専業主婦(夫)に他にも収入がある場合、学資保険の雑所得と合計されてしまうため、必ずしも税金の負担をゼロに出来るわけではないので注意しましょう。

受け取る学資金額が変動するときにかかる税金は?

学資保険の中には、小中高の入学時や大学への進学時や在学中、卒業時などの受け取るそれぞれのタイミングで受取額が異なるものがあります。

この場合はどのように税金がかかってくるのか?を計算しておいたので、参考にしてみてください。

◯毎年の雑所得の額を計算する
これまで使用してきたモデルケースの学資保険の保険金を、以下のように分割で受け取ったとします。
(払込総額が186万円で、受取率が107%の場合)

■保険金額(給付額)

  1. 小学入学時:10万円
  2. 中学入学時:10万円
  3. 高校入学時:20万円
  4. 大学入学時:100万円
  5. 大学2年生になった時:40万円
  6. 大学卒業時(満期):20万円

●保険金受取額合計:200万円
●年金受取回数:6回

この時、上記1~6の雑所得を計算すると以下の通りとなります

1,2それぞれ:10万円-(186÷6)=0円
3:20万円-(186÷6)=0円
4:100万円-(186÷6)69万円
5:40万円-(186÷6)9万円
6:20万円-(186÷6)=0円
※0円=計算結果がマイナスになるため税金がかからないという意味

雑所得が発生するのは、4と5のみです。


◯実際に税金を計算する
次に契約者が会社員、自営業、専業主婦それぞれの場合の税金額を見ていきましょう。
なお、所得税の税率は全て5%と仮定して計算します。

・契約者が会社員の場合
会社員の場合は、雑所得が20万円以上の場合が対象なので、実際に課税されるのは4.のタイミングのみです。
(給与所得以外の所得が、保険金の雑所得のみであると仮定しています。)

4.の場合の所得税は
69万円×5%=34,500円
となり、同様に住民税の額は
69万円×10%=69,000円

所得税と住民税を合計すると
34,500円+69,000円=103,500円という結果が出ました。

・契約者が自営業の場合
自営業の場合は、雑所得が全て課税の対象ですので、4.だけでなく、5.に対しても税金が発生します。

5.の場合の所得税は
9万円×5%=4,500円
となり、同様に住民税の額は
9万円×10%=9,000円

所得税と住民税を合計すると
4,500円+9,000円=13,500円です。

4.の場合の税金額は、契約者が会社員の場合と同一のため、103,500円。
よって、収めるべき税金の額は、
103,500円+13,500円=117,000円

契約者が会社員のときよりも少し納税額が高くなります。

・契約者が専業主婦(夫)の場合
専業主婦(夫)の場合は、雑所得が基礎控除の額(所得税:38万円・住民税:33万円)の範囲内だと課税されないので、4.のみ税金が発生します。

また、会社員の場合と違う点は、雑所得から基礎控除を引いた残りの額に課税されるという点です。

つまり、4.のうち所得税の計算対象となるのは、
69万円-38万円=31万円
となります。
そして所得税の額は
31万円×5%=15,500円です。

また住民税の場合も同様に計算すると、
69万円-33万円=36万円が課税の対象となり、
33万円×10%=33,000円が住民税の額です。

最後に所得税と住民税を合計すると15,500円+33,000円=48,500円となります。

これら全てを比較すると、やはり専業主婦(夫)の場合が、税金負担がもっとも低いです。
ただし、専業主婦(夫)に他の所得があった場合は、合算されてしまい、さらに課税される額が上昇する可能性があります。

また、世帯主の扶養内で働いている場合は、所得が一定額を超えると、

  • 扶養から外れ、世帯主が配偶者控除を受けられなくなり納税額が増える
  • 自分で社会保険料を支払う必要出てくる

という事態になりかねません。

結果として手取り収入が減り、家計で自由に使えるお金が減るため注意しましょう。

学資保険で余分な税金の支払いが発生しないように注意

監修者:FP品木彰

学資保険は、契約者や受取人・保険金の受け取り方を適切に選択しないと、余分な税金の支払いが発生し返戻率が低下してしまいます。

このため、学資保険に加入する際は、以下の点に注意して契約しましょう。

  • 契約者と保険金の受取人を同一人物にする
  • 保険金を一括で受け取る
  • 保険金を分割で受け取りたい場合は、契約者と受取人を専業主婦(夫)にする

税金の支払いが発生し、返戻率が低下すると、効率よく教育費を貯めるという学資保険本来の目的が果たせなくなります。

よって学資保険に加入する際は、上記を意識し出来るだけ税金のかからない加入の仕方を心がけることが大切です。

執筆・監修:FP品木彰