学資保険に加入して、子どもの教育資金を貯める!と思っても、どのタイミングで契約すればいいのか?
子育てが初めてのママやパパなら尚更分からないと思います。
このページでは、どのタイミングで学資保険に入るのが一番いいのか?を中心に、学資金をいつから受け取れるのか?についても詳しく解説していきます。
学資保険はいつから入る?「子どもが生まれる前」がベスト
「子どものために入る学資保険なのに、【生まれる前】がベストなタイミングなの?」と思いますよね。
もちろん、生まれた後にも検討できるかもしれませんが、子供が生まれてからだと忙しくなり、どの学資保険するか?を考える時間が少なかったりします。
では、実際に生まれてからのことを考えてみましょう。
子供が生まれて2週間以内に出生届の手続きをしなければなりません。
また、各自治体の支援や児童手当の申請等も同じ期間内にするものが多いです。
サラリーマンの場合、仕事をしながら出生届の手続きや他の手当の手続き、出産育児一時金などの申請手続きをしなくてはなりません。
母親サイドでは、親御さんのサポートが必要で1ヶ月間里帰り、なんてこともあるかもしれません。
このように、保険の相談を受けようと思っても、産後は夫婦揃ってまとまった時間を取るのが難しくなります。
また、産後の忙しさがある程度落ち着いたとしても、子供が生まれてからは子供中心の生活になりますし、病気や体調の心配も考えると、赤ちゃんを連れて長時間外出するのも難しくなってきますよね。
そうこうしているうちに、学資保険の話を聞きに行けたのは半年後、1年後、となってしまうケースも…。
子供の年齢が高くなると、「年齢制限により加入できない」「返戻率が3%も下がる」といった学資保険もあります。
ですので、学資保険を検討している人は、子供が生まれる前から動くのがベストです。
ちなみに、一般的には【子供の出生予定日の140日前】から加入できる保険が多いですので、出産前の落ち着いているタイミングを見て検討するのが良いですね。
学資保険に入るべきタイミングも大まかに知っておこう
子供が生まれる前以外にも、学資保険に入るべきタイミングは大きく3点あります。
子供が生まれた後(0歳のタイミング)
学資保険は基本的に、加入が早ければ早いほど良いです。
なぜなら、満期を18歳とした場合、保険金を受け取るまでに18年間もあり、支払回数も増やせれば月々の支払額が抑えられるからです。
例えば、とある学資保険で、満期保険金を100万円とした場合、
0〜18歳までの分割であれば毎月13,350円(返戻率104%)で済みますが、6〜18歳までの分割ですと毎月22,450円(返戻率101.2%)の支払いとなります。
元々学資保険に入ろうと決めている場合は、子供が生まれたらすぐに入るのが一番ですね。
子供が3歳になるまで
3歳前は、幼稚園の決定(保育園で既に通っている場合もありますが)もしている頃ですよね。
毎月の通園費用や習い事にかかる費用など、児童手当の使い方がだんだんと決まってくる時期です。
こうしたタイミングで、
「児童手当には手をつけずに生活できているから、児童手当のお金を全て学資保険に回せる」とか、
「学資保険で子供の大学入学時に300万円用意したいけど、月々の支払いに直すと予算オーバーになるから、満期時にもらえる保険金を200万にして加入しよう」
といった、具体的な月々の支払いを軸に計算が出来ますね。
学資保険は満期を迎えた方が利益が大きく出るので、無理して入って途中で解約すると、支払った額よりも還ってくるお金が少なくなって損をします。
具体的にどれだけ月々の支払いに余裕があるかがわかってくる3歳のタイミングも、検討するのにオススメと言えますね。
子供が小学校に入学するまで
多くの学資保険が、子供の年齢が9~10歳を迎えると加入できないので、実質的な最後のタイミングと言えます。
(稀に12歳まで加入可能な学資保険もあります。詳しくは下記の【参考】部分をチェックしてみてください。)
「手元にお金があると使ってしまう」といった場合には、毎月確実に口座引き落としされる学資保険に加入しましょう。
貯める感覚から支払いという感覚に切り替えることで、より確実に貯めることが出来ますね。
満期の保険金額を大きくしてしまうと月々の支払いが大変になるのでオススメしませんが、無理のない範囲で子供のためにお金を用意しようと思った場合、組み立て方次第ではまだ間に合うということを覚えておきましょう。
【参考】
子どもの年齢別 契約可能な学資保険リスト
子どもの年齢 | 契約できる学資保険 |
---|---|
3歳まで | ソニー生命「学資保険」 |
6歳まで | 明治安田生命「つみたて学資」 |
6歳まで | 日本生命「ニッセイ学資保険」 |
7歳まで | フコク生命「みらいのつばさ」 |
12歳まで | JAこども共済「学資応援隊」 |
学資保険をいつから受け取るか?給付タイミングも確認しておこう
学資保険金を実際に受け取るパターンは、3つあります。
大学入学時にまとめて受け取るパターン
一番ベーシックなパターンです。
大学入学時は、入学金や学費だけで国公立大学でも100万円近くかかります。
また子供が実家を出る場合は、賃貸や引越し費用等がプラスでかかるため、このような出費に備える目的で学資保険を活用する人が多いです。
メリットとしては、他のパターンに比べて、返戻率が上がりやすい点です。
何故なら【より短く払い終えて、より長く受け取るまで待つ】のが、保険金を多く受け取る方法だからです。
一方デメリットとしては、それ以外分割で受け取るタイミングがないので、小中高校への進学にかかる費用(制服代や教材代等)は別途用意する必要がありますね。
大学入学時に大部分と、小中高への進学時にそれぞれ一部受け取るパターン
上記の大学入学時に加えて、小中高校への進学時に、10万円や20万円等、一部まとまったお金を祝い金として受け取れます。
メリットとしては、大学入学時に比べれば少額で済むけれど、制服代や教材費等進学時にかかるまとまった出費にも備えられることです。
地域や公立私立によって差はあるものの、【制服(夏用冬用)、体操着、鞄、靴、生徒会費、PTA会費、教材費】等々、これらだけでも年間に通常10万円以上はかかります。
これらに備えられるのは安心ですね。
デメリットは、保険金を分割して受け取るので、一括受取の場合に比べて返戻率が低くなることです。
ある保険会社の学資保険で、
【契約者:30歳男性、被保険者:0歳男の子、基準保険金200万円、18歳満期】とした場合に、
満期一括で受け取る場合…104%
進学ごとの祝い金有りの場合…102.2%
と、分割で祝い金を受け取る方が返戻率は下がります。
どの保険会社の商品でも同様なので注意してください。
大学入学時に大部分と、大学卒業まで毎年一部を受け取るパターン
国公立大学でも、年間の授業料は50万円を超えますし、私立大学や医歯薬学部であればもっとかかりますので、毎年の学費にも備えようとする人にオススメ。
メリットは、大学の入学時だけでなく、大学4年間の授業料もカバー出来ること。
デメリットとしては、こちらも分割で受け取るので一括受取に比べて返戻率が下がることです。
学資保険を賢く貯めたいなら「大学入学に一括で受け取る」
せっかく毎月積み立てていっても、いざ受け取る際に税金がかかってしまうのは辛いですよね。
ですので、どんな受け取り方、どのくらいの金額では税金がかかってしまうのかを押さえておきましょう。
まず前提として、学資保険で受け取る保険金は、【所得】という扱いになり、所得税の対象となります。
所得税にも種類が色々あり、学資保険では次のような区別がされます。
満期時の一括受取、各進学時の祝い金としての分割受取…【一時所得】
18歳に200万円一括、といった場合や、中学高校の進学時に20万円ずつ、といったケースが該当。
大学入学以降に毎年受け取る年金形式としての分割受取…【雑所得】
18歳から22歳までの5年間、毎年50万円ずつ受け取る、といったケースが該当。
一時所得の場合は、受取時に【増えた額が50万円を超えた場合】に税金が発生します。
学資保険は返戻率が高いものでも110%前後なので、差額50万円以上の受取が出来るのは、満期の保険金を550万円以上に設定した場合のみ。
ですので、一般的な200万円や300万円の満期保険金では、税金は一切かからないと思って大丈夫です。
小中高への進学時に受け取る祝い金も同様で、一時所得として50万円以上の差額があれば税金がかかりますが、そもそも祝い金を50万円以上にするケースが稀ですので、こちらも税金は一切かからないと思って大丈夫ですね。
一方で、雑所得として該当する【年金形式】に該当する場合は注意が必要です。
こちらでは、【分割した保険金額 -(分割した保険金額 × 払込保険料総額 / 総支給見込額)】という計算式で算出された金額が課税対象となります。
難しいので具体的な例を挙げると、、、
[条件]…満期保険金400万円、払込保険料総額360万円、満期保険金を年額100万円×4回に分けて受け取った場合
100万円(分割した保険金額)-《100万円×360万円(払込保険料総額)/400万円(総支給見込額)》=10万円
となり、この場合は10万円が課税対象となります。
雑所得というのは給与収入以外で得た臨時収入にかけられる税金のまとまりなので、例えばインターネットオークションで出品したものが売れた金額や、最近だと仮想通貨の売買で得た利益等も足して給与所得者は年間20万円を超えたとき、給与所得者以外は38万円を超えたときに税金が発生します。
一時所得の場合よりも税金がかかりやすくなりますので、注意が必要ですね。
学資保険の受取人はできるだけ契約者名義にしておいた方がいい
先ほどの所得税の話の中で、受取額を550万円以上にしない限りは税金がかからないことを説明しましたが、実は受け取り方によっては、例えば300万円の受け取りでも税金がかかる場合もあります。
それは、受取人を子供にした場合です。
学資保険は、親が毎月の支払いを行います。
子供のために入る保険ではありますが、子供の学校への進学に必要な諸費用(入学金や授業料、制服代や教材費等)の支払いに充てる目的で加入しますよね。
つまりは、この学資保険で利用するお金を本来受け取るべきなのは、その保険料を支払っている親ですよね。
親が支払いに困らないために入った保険なので、その保険金の受取人を子供にしてしまうと、税金の取扱上【贈与】という名目に切り替わってしまいます。
贈与税は、所得税とは税金のかかり方が変わります。
具体的には、贈与税で控除できる(税金の計算対象にならない)金額は、年間で110万円まで。
ですので、300万円の受取で子供を受取人とした場合、300万円-110万円=190万円が、税金の対象になってしまうのです。
贈与税に該当して余計な税金がかからないためにも、受取人は子供にせず、親にするよう注意してください。
もしくは、1回でまとめて保険金を受け取るのではなく、1年間の受取額が110万円以下になるように設定しておきましょう。
学資保険の計画は早めに立てよう
子供が生まれた直後は、ゆっくりと時間をとって保険を検討するのは難しいですので、できれば子供が生まれる前に検討し、契約しておきましょう。
保険商品の中には、出生予定日の140日前から加入できるものもありますので、検討してみてください。
また、節税するためには、保険による利益や保険金の受け取り方、年間受取額を考慮する必要があります。
学資保険で貯めたお金を最大限に活かすためにも、親自身が受け取るときは利益が50万円以下になるように、また、子供が受け取るときは受取額が年間110万円以下になるように調整した方がいいです。
監修:FP林泉