学資保険を徹底解説【5つのメリットとデメリット】入る前に要確認!


学資保険にはどんなメリットやデメリットがあるのだろう
最終的に増えて戻ってくるらしいけどどれくらい増えるのかな
学資保険の種類によっては逆に減ることもあるみたい…

学資保険は貯蓄性が高くて増えやすい「メリットの多い保険」ではありますが、契約条件によってはデメリットになることもあります。
どんなメリットやデメリットがある保険なのか?をしっかりと理解した上で、加入するかどうか判断してください。

学資保険5つのメリット

<学資保険のメリット(1)>
金利が高くて増える額が大きい


まずは、学資保険でどれくらい増えるのか?を簡単にシミュレーションしてみます。

■学資保険で増える金額

[条件]契約者30歳、子ども0歳、200万円貯める、掛金月払い、払込期間18年

上の条件で返戻率(戻り率・受け取り率とも言われます)が107.4%に設定された場合

払込総額1,852,000円で、2,000,000円受け取るので、148,000円増えたことになります。

「18年間積み立てて約15万円増えた」これが多いか少ないか?は、人それぞれ感じ方が違うと思いますが、私としては『そんなに増えるんだ!凄いな』と感じました。
銀行の定期預金と比べると、学資保険の凄さが分かります。

■銀行の定期預金で増える金額

[条件] 200万貯める、毎月積み立て、積み立て期間18年

定期預金の金利は、銀行によって違いますが、ここでは一般的な0.01%の利率で計算します。

積み立て総額1,998,648円で、2,000,006円受け取るので、1,358円しか増えない計算になります。

1年毎の積立明細はコチラ
積立期間 元金分 利息分 利息分
(税引き後)
積立合計額
1年 111,036 0 0 111,036
2年 222,072 12 9 222,081
3年 333,108 35 27 333,135
4年 444,144 69 54 444,198
5年 555,180 114 90 555,270
6年 666,216 170 135 666,351
7年 777,252 237 188 777,440
8年 888,288 315 251 888,539
9年 999,324 404 321 999,645
10年 1,110,360 504 401 1,110,761
11年 1,221,396 615 490 1,221,886
12年 1,332,432 737 587 1,333,019
13年 1,443,468 870 693 1,444,161
14年 1,554,504 1,014 808 1,555,312
15年 1,665,540 1,170 932 1,666,472
16年 1,776,576 1,337 1,065 1,777,641
17年 1,887,612 1,515 1,207 1,888,819
18年 1,998,648 1,704 1,358 2,000,006

※単位(円)

銀行の定期預金の金利を「返戻率」に変換して、学資保険と比べると次のようになります。

■学資保険と銀行の定期預金の返戻率を比較

学資保険 銀行の定期預金
約107.4% 約100.06%

この違いを見ると、定期預金でコツコツと貯めていくのがバカらしくなってきますね。

学資保険と預貯金の違いについては、別のページで説明しているので、詳しく知りたい人は特集ページをチェックしてみて下さい。

⇒学資保険と預貯金の違い

■返戻率の高い学資保険に入るとお金が増えやすい
上の説明では、学資保険の返戻率を107.4%として計算しましたが、この「返戻率」は保険会社によって異なります。

学資保険の返戻率を高く設定している保険会社はどこなのか?を説明しているページも作っておいたので、ぜひ参考にしてください。

⇒返戻率が高いおすすめ学資保険ランキング

また、契約者の年齢・子どもの年齢・払込期間・払込タイプ(月払いor年払いor一括払い)・保険金の受け取りタイミングなどの変動によって、返戻率も変わってきます。
どんな条件にすれば返戻率が高くなるのか?についても、上のランキングページで詳しく説明しておきました。

<学資保険のメリット(2)>
契約者に万一のことがあったら払込が免除される


学資保険は、『満期時に保険金をいくら受け取る』と契約するときに決めてから毎月積み立てるものですが、保険料の払込中に契約者が死亡した場合、それ以降の払込をしなくても“最初に決めた保険金”を全額受け取れます。(これを「保険料払込免除特約」と言います。)

例えば、
200万円貯まる学資保険の契約をして、毎月9,000円の保険料を払い込んでいる
↓(半年後)
契約者であるパパが亡くなった
↓(払込免除・保険は継続)
子どもの大学入学時に200万円が学資金として支給された
単純に計算をすると、54,000円(9,000円×6ヶ月)の払込で200万円受け取ったこととなりますね。

「ガンや脳卒中になったときのために」と、医療保険に有料でこの特約を付けることもありますが、学資保険には最初から付いているケースがほとんどです。

<学資保険のメリット(3)>
子どもの成長に合せて受け取るタイミングを選べる

一般的な積み立て貯金(定期預金)では、契約時に決めた「満期時」にお金を受け取るようになっていますが、学資保険は次のような受け取り方ができます。

■学資保険のお金の受け取り方

  1. 大学入学時に一括で受け取る
  2. 大学入学時+卒業まで毎年1回受け取る
  3. 小中高の進学時+大学入学時に受け取る

子どもの大学入学金として、学資保険でお金を貯めるパパやママが最も多いですが、最近では毎年の授業料を補填するため、(2)の受け取り方を選んでいるケースも増えているんです。

(3)は、入学祝い金を一時金として受け取るタイプで、「幼稚園の入園時ももらえる」「中高の入学時のみもらえる」と、保険会社によって色々な種類があります。

ライフスタイルに合わせて教育資金を受け取れるのが、学資保険の良いところですね。

<学資保険のメリット(4)>
生命保険の控除対象となり税金が安くなる

学資保険は「生命保険」に分類されるため、生命保険の控除枠に入れて計算できるのもメリットの一つです。

学資保険と控除については、別のページで詳しく説明しています。

⇒学資保険と控除について

<学資保険のメリット(5)>
貯蓄だけでなく保障面も充実可能

学資保険は、子どもの大学入学までに200万円、300万円貯める!という「貯蓄」が主な目的ですが、医療や育英年金などの特約をセットで付けることもできます。


生命保険(死亡保障がメイン)に付加されるケースが多く、入院した時に日額5,000円、手術した時に一時金として10万円、入院や手術のために通院した時に1回2,000円など、病気やケガで病院にかかったときの保障が手厚くなります。


契約者(パパやママ)が、保険料の払込期間中に死亡したとき「満期まで育英資金が毎年支給される」というもの。
親のお給料保障、と考えるとイメージしやすいですね。

ただし、保障を手厚くすると毎月の保険料(掛金)もアップします。

例えば、大学入学時に200万円の学資金を受け取る+入院と育英年金の特約を付けると、保険料が最低でも10,000~15,000円ほど高くなり、払い込み総額が受け取る金額より上回ることがほとんど…。
(付ける特約の保障内容によってアップする保険料は変動します。)

学資保険5つのデメリット

<学資保険のデメリット(1)>
使いたい時に引き出せない

学資保険は、加入時に決めた契約満了時期(満期)に、教育資金として給付金を受け取るのが基本です。
(満期時だけでなく、小中校など進学のタイミングで一時金を受け取るケースもあります。)

銀行口座への預金のような『必要な時にいつでも引き出せる柔軟性』がないのは、デメリットだと言えますね。

学資保険を解約すれば、それまで積み立てたお金は「解約返戻金」という形で戻ってくるのですが、契約年数が一定期間未満の場合、手数料として積み立て額の5~30%が差し引かれてしまいます。
(何年未満だと何%の手数料がかかる、という部分は保険会社によって異なります。)

学資保険に入るときは、満期まで保険料を払い込めるように、無理のない月額掛金の設定をしておきましょう。

<学資保険のデメリット(2)>
金利が固定されているからインフレに弱い

学資保険は、契約時から満期時までの金利が固定されています。

そのため、満期時に物価が上がっている状態(インフレ)だと、学資保険の給付金では足りなくなってしまう危険性があるんですね…。

その点、利率変動型の積み立て保険だと、日本の景気に合わせて金利が見直されるため安心して貯蓄ができる、と捉えている人も多いです。

今後、景気が良くなり続けて「物価が思いっきり上がる!」と確信できるのなら、学資保険ではなく利率変動型の積み立て保険を選ぶほうが良いでしょう。
でも、2018年の頭に『過去10年間で最高の景気に達した』ことを考えると、後はこれ以上上がらないのではないか?と考えるのが自然なので、学資保険を使って教育資金を貯めても困ることは無いでしょう。

<学資保険のデメリット(3)>
元本割れを起こすケースもある

デメリット(1)でも少し説明したとおり、学資保険は保険料を一定の期間払い込んでいる場合、最低でも積み立てた金額は戻ってきます。
(満期まで解約せずに置いておくと、返戻率に応じた金額が上乗せされます。)

このような『貯蓄型』と呼ばれている学資保険がほとんどですが、中には『保障型』と呼ばれ「子どもの入院やケガの保障が手厚いもの」もあります。

■貯蓄型と保障型の違い

元本割れ 保障
貯蓄型 元本割れ
しにくい

(返戻率100%以上になりやすい)
死亡時と
高度障害時のみ
保障型 元本割れする
ケースが多い

(返戻率100%未満になりやすい)
死亡時と高度障害時に加え
入院や通院保障、手術・三大疾患

に対する保障など

保障の部分が手厚くなれば、毎月支払う保険料(掛金)が上がるだけでなく、満期時に戻ってくるお金も5%ほど減ってしまうことが多いです。
【教育資金を貯める】という、学資保険の本来の目的を果たすのなら、貯蓄型の学資保険を選んだ方が良いですね。

<学資保険のデメリット(4)>
保険会社の倒産時は受け取り額が少し減ることもある

保険会社も一企業なので、倒産するケースはもちろん考えられますよね。
加入していた学資保険の会社が経営破綻を起こした場合、『生命保険契約者保護機構(※)』によって保険金額の90%が保証される仕組みになっています。

生命保険契約者保護機構とは国内にある全ての保険会社が会員として加入しており、破綻した保険会社の業務や保険契約を引き継ぐ形で、契約者の不利益を極力減らしてくれる機構のことです。

過去に倒産した保険会社は、1997~2008年の間で8社だけですし、それら全ての会社が他の保険会社に業務・契約を引き継いでもらっている(合併・吸収)ので、契約者はそこまで大損をしていません。そこまで心配しなくでもいいでしょう。
とはいえ、過去になかったからといって未来もそうだとは限りませんので、100%頼りにするのもいけません。

保険会社が倒産したらどんな流れになるのか?詳細は別のページで詳しく説明しています。

【参考】保険会社が破綻・倒産したらどうなる?契約解除にならない理由とは

<学資保険のデメリット(5)>
贈与税がかかる場合もある

“パパ”が学資保険の契約者で、保険金(学資金)の受け取りを“子ども”に設定している場合は、親からお金をもらった事になり「贈与税」がかかってきます。
具体的にいくらかかるのか?簡単にシミュレーションしてみますね。

■子どもが200万円の学資金を受け取った場合の贈与税(契約者=パパ)

(200万円-110万円【基礎控除】)×10%【税率※】-0円【速算控除※】=9万円
※税率と速算控除額は、基礎控除後の金額によって決まります。

所得税と比べると、200万円のうちの9万円ならまだ安い方かな?と思うかもしれませんが、受取人を契約者にすると贈与ではなく一時所得扱いになるので課税額は少なくなります。
受取人をパパにした時の課税シミュレーションも簡単にしておくので、上の9万円と比べてみてください。

■パパが200万円の学資金を受け取った場合の所得税(契約者=パパ)

払い込み総額が186万円だったとして、
(200万円-186万円-50万円【特別控除】)÷2=-18万円 ⇒ 0円

一時所得の場合は、『増えた金額が50万円未満なら税金がかからない』と覚えておくと良いでしょう。

ただ、大学卒業まで毎年受け取るタイプの契約だと、一時所得ではなく雑所得の扱いとなり、課税計算の方法が変わってきます。(一時所得として受け取る方が税金はかかりにくい)
学資保険と税金に関しての詳細は別ページで解説しています。

【参考】学資保険と税金の関係

学資保険を最大限に活かすためには計画的な家計管理が必須

監修者:FP大川敦士

学資保険の最大のメリットは保険料払込免除特約を付けることで、払込期間中に契約者に万が一のことがあっても保険料を満額受け取れるという点でしょう。

また、他にも様々な特約をつけると、保障面を充実させることもできます。

ただし、保障を手厚くすると受取総額よりも保険料の方が高くなり、結果的に元本割れを起こす可能性が高くなります。

そのため、特約は闇雲に付けるのではなく、ライフスタイルや家計状況などを考慮して判断しましょう。

現在の金利水準であれば『預金よりも増える可能性が高い点』も魅力的ですが、契約で定められた受取時期以外のタイミングで自由に引き出せない点には注意が必要です。
(解約すればお金は戻ってきますが、払い込み総額の50~80%程度なので損をしてしまいます…。)

対策としては、時系列で必要な金額を把握し、保険金の受取時期を考慮した計画的な家計管理を心掛けると良いでしょう。

監修:FP大川敦士