学資保険の解約で生じる5つのデメリット<解約回避の方法も解説>

学資保険の解約で生じるデメリット

「学資保険に入ったのは良いものの、急な出費が重なって保険料を支払うのがキツくなってきた…」という声はよく聞きます。

「銀行の口座なら自分のペースで貯められるから、学資保険は解約しようかな?」という考えになるのは分かりますが、何も知らずに解約してしまうとかなり損をする危険性が!

このページでは、学資保険を解約すると起こるデメリットを5つ紹介していきます。

解約の代わりにできる方法も、いくつか伝えるので是非、参考にしてみてください。

学資保険を解約するデメリットやリスク

≪デメリット1≫
解約返戻金は元本割れすることが多い


毎月支払っている保険料は、様々な費用から構成されています。

例えば、満期時に受け取る保険金に相当する費用や保険会社の運営費用、契約者の万一のこと(死亡や高度障害等)が起こったときのための保険料等が組み合わさり、【毎月の保険料】として請求されているのです。

保険会社は【契約者から預かったお金の一部】を資産運用に充てて利益を出しているので、満期時には返戻率100%以上の保険金を受け取れることが多いのですが、中途解約時にはその他の手数料が多く引かれると思っておきましょう。

支払った期間や金額にもよりますし、計算方法は保険会社ごとで異なりますが、数年程度の支払いでの解約では、ほぼ元本割れすると認識しておきましょう。

≪デメリット2≫
解約返戻金に税金がかかるケースがある


契約時に一括で支払いを終えていて、5年以内に解約をした場合は、解約返戻金に税金がかかります。

この場合、【学資保険】としての税金計算ではなく【金融類似商品】という取り扱いになり、税金のかかり方が他のケースと少し異なります。

○金融類似商品への税金のかかり方

支払い保険料と受取金額の差益部分(返戻率100%を超えた分)に、20%の税金がかかります。

ちなみに、学資保険で保険金や解約返戻金を受け取るにあたって、無事に満期を迎えた場合や中途解約をした場合、一括払いや分割払い、いずれの組み合わせでも、実はそれぞれ税金がかかります。

ですがほとんどの場合に税額控除があるので、税金分と控除(免除)分の金額が相殺されて、実質税金はかからないことが多いです。

≪デメリット3≫
子供と親の年齢によっては再加入が出来ない


「毎月の支払いが苦しくなってきたから、一度解約して、掛金を少し安くして(積立総額を減らして)から入り直そう」と考えている方は、まず子供の年齢を確認した上で検討しましょう。

学資保険には、加入できる子供の年齢制限があります。
年齢制限は保険会社によって異なりますが、多くが6歳までの未就学児を対象にしています。

中には9歳や10歳まで加入対象にしている保険もありますが、対応している保険会社が少ない(第一生命の【こども応援団Mickey】が10歳まで、かんぽ生命の【はじめのかんぽ】が12歳まで)ので、選択肢が限られるのは間違いありません。

加えて、再加入の場合は満期を迎えるまでの支払い期間が、以前より短くなりますよね。

例えば0歳から18歳までで支払う場合は、支払総額を216カ月分に分けられますが、6歳から18歳までで支払う場合は144ヵ月分にしか分けられなくなり、その分月々の支払い額も高くなりますので、その点もご注意ください。

また、親の年齢によっては加入できない学資保険も多数あります。
年齢に関わらず加入できる場合でも、親の年齢が上がると保険料も上がることが多いので、再加入する前に「年齢条件」と「保険料」については必ず確認してください。

≪デメリット4≫
特約保障も一緒に解約になる


子供の医療保険を特約として付けている方も多いでしょう。

特約保障というものは、いわばオプションのようなものなので、ベースとなる契約があって初めて付けられるものです。
そのため、学資保険自体を解約すると、特約も一緒に解約となります。

子供が病気や事故で入院や手術をしたときに、医療保障を受けられなくなっては困るので、医療保険には別途入っておく方が良いでしょう。
(死亡保険に医療特約を付けて、入院・手術の給付金が出るようにしておくのが一般的です。)

≪メリット5≫
自力ではお金を貯めにくくなる


学資保険のメリットは、口座振替やクレジット払い等で強制的に引き落とされて、契約時に決めた金額を子供の教育資金としてコツコツと準備できることです。

解約しても「やっぱり子供の教育資金は用意したい」という場合、自分の意思(任意)で貯めなければなりませんが、これが中々難しいですよね。

学資保険での強制的な準備がなくなるので、自制心がかなり強い方でないとなかなかお金を継続して貯めるのは難しいでしょう。

学資保険の解約返戻金-各会社における対応

保険会社
学資保険名
解約返戻金の対応
ソニー生命
「学資保険」
ソニー生命の担当者もしくはカスタマーセンターに連絡
⇒ソニー生命より請求書類(紙or電子)を発送
⇒必要書類の提出
⇒手続き完了後、解約返戻金を入金
明治安田生命
「つみたて学資」
明治安田生命に対して必要書類を提出
⇒手続き完了後、解約返戻金を入金
フコク生命
「みらいのつばさ」
保険証券番号を手元に控え、お客様センターへ連絡
⇒フコク生命より手続き書類の郵送
⇒手続き書類の提出
⇒手続き完了後、解約返戻金を入金
日本生命
「ニッセイ学資保険」
ニッセイコールセンターへ連絡
⇒手続き書類の郵送(1週間程度)
⇒必要書類と合わせ、手続き書類の提出
⇒手続き完了後、解約返戻金を入金
JAこども共済
「学資応援隊」
加入先のJAに連絡
⇒必要書類を用意して窓口にて手続き
⇒手続き完了後、解約返戻金を入金

学資保険の解約返戻金はいくら?計算方法と金額例

下記にて、3パターンの支払い方法における解約返戻金の計算方法を紹介します。

【パターン1】

毎月15,000円の払込、3年間払い続けて解約し、解約返戻率が91.2%だった場合
まず始めに、今まで合計いくらの払込を行なったかを計算します。

15,000円×36ヶ月=540,000円

このタイミングで解約すると、返戻率が91.2%なので、

540,000×0.912=492,480円

となり、492,480円の解約返戻金を受け取れます。

【パターン2】

毎年20万円の払込、8年払い続けて解約し、解約返戻金が101.8%だった場合
上記同様、合計払込額を計算します。

200,000円×8年=1,600,000円

このタイミングで解約すると、返戻率が101.8%なので、

1,600,000×1.018=1,628,800円

となり、1,628,800円の解約返戻金を受け取れます。

【パターン3】

全期前納(一括払込)をし、契約開始から2年で解約した場合
全期前納払いとは、保険会社に保険料を一括で支払い、保険会社が一時的に預かり、そこから毎年保険料を収めてくれる形です。

例えば、子供の年齢が0歳時に契約して18歳を満期とした場合、18年分の金額を保険会社に対して支払っているのですが、保険会社側は預かっているだけで、1年ごとに1年分ずつ保険料として受け取るということですね。

この場合、2年で解約した場合は2年分は保険料として保険会社側で処理をされていますが、残りの16年分の保険料は保険会社が預かっているだけなので、16年分の保険料は丸々返ってきます。

残りの2年分には、そのパターンでの解約返戻率にて計算された金額が返ってきます。

学資保険の解約返戻金が決まる主な要素

学資保険の解約返戻金は、次の要素によって決まります。

■払い込んだ保険料の総額
学資保険を始めとした貯蓄型の保険は、保険料を多く支払えば「解約返戻金」も多くなります。

保険会社は、契約者から受け取った保険料の一部(※)を資産運用に回してお金を増やしているため、保険料を多く払ってくれた人の方が解約返戻金が多くなるのは当然ですね。

※資産運用だけでなく、保険金支払いの準備資金や人件費などにも使われています。

ただ、いくら多くの保険料を支払ったとしても、下の要素もある程度満たしていないと解約返戻金は少なくなってしまいます。

■保険料の払い込み期間
資産の運用には、ある程度の期間も必要なので、保険会社に保険料をできるだけ長く預ける方が、解約の返戻金は多くなります。

一般的な学資保険の場合、10年未満で解約をすると元本割れを起こすケースが多いです。
(払込保険料や被保険者の年齢など、契約条件によって多少前後しますが、10年を目安に考えておくといいでしょう。)

本当は解約したくない!学資保険を解約せずに済む対処法

学資保険を解約すると、その時点で保障もなくなりますし、子供の教育資金も貯まりにくくなります。

また、いくら返ってくるかも不透明で、元本割れのリスクもありますね。

何とか解約せずに保険を継続出来ないのか、と思っている方に、解約以外の選択肢を紹介します。

途中解約より「払済保険」に変更する方がメリットは多い

払済保険とは、保険の保障部分を継続させたまま、以降の保険料の支払いを無しにする、という制度です。
『保険を買い上げる』とイメージすると分かりやすいですね。

■払済保険のイメージ


例えば、子どもの大学進学時期に300万円給付される学資保険に入って、毎月の掛金(保険料)が13,000円×18年間払い込む契約内容だったとします。

○契約から5年後に払済保険に変更した場合

78万円(月13,000円×5年)払って約81万円の学資金が給付される
⇒払込総額が少ないから満期時(契約から18年後)に貰える学資金も少ないが、約3万円増えて戻ってくる
⇒満期時まで保障は継続

○契約どおり18年間払い込んだ場合

約280万円(月13,000円×18年)払って300万円の学資金が給付される
⇒約20万円増えて戻ってきたことになる
⇒もちろん保障は満期まで続く

○契約から5年後に解約した場合

78万円(月13,000円×5年)払って約54万円(※)の解約返戻金が給付される
⇒約24万円減って戻ってくる
⇒解約なので保障が終了する

※掛金総額の60~85%分が解約返戻金として戻ってきますが、保険商品の契約内容によって、このパーセンテージは違います。(今回は70%で計算しています。)
それぞれの特徴を表にして簡単にまとめました。

■払済保険、満期まで続ける、途中解約の特徴比較

払済保険 満期まで
続ける
途中解約
掛金
払い込み
途中で終了 続く 途中で終了
保障 続く 続く 終了
戻ってくる
お金
払込に応じた額
+数万円
契約時に
設定した額
払込額の
60~85%
お金が
もらえる時期
契約満了時 契約満了時 解約時
特約
(付加した場合)
無効 有効 無効

このように3つのパターンを見比べてみると、払済保険とはどんなものか?が分かりやすいですね。

学資保険を払込保険に変更するメリットやデメリットもまとめました。
おさらいとしてチェックしておきましょう。

<メリット>

  • 解約による返戻金の元本割れを防げる
  • 学資金を受け取れる
  • 保険料を無理して払わなくていい

<デメリット>

  • 受け取れる学資金が少なくなる
  • 再開できない
  • 特約が無くなる

一時的に払込できない時は「契約者貸付制度」も検討

契約者貸付制度とは、契約している学資保険の現時点での解約返戻金を担保として、保険会社からお金を借りる制度です。

借入可能額は、その時点で解約した場合に受け取れる解約返戻金の70~90%相当額。

毎月の収支の中で一時的に支払いが出来ない場合にも、「次のボーナスでまとめて払える当てがある」といった方や、「突発的な支出が重なったが、学資保険は何とか解約せずに乗り切りたい」といった方は、この制度を検討する価値はありますね。

この制度のメリットは、

  • 学資保険の解約を避けられるので、満期保険金を受け取れますし、特約保障も続きますす。
  • 保険の契約期間内であればいつでも返済が可能で、例えば「毎月○日に△万円」といったような返済に追われなくて済みます。

一方デメリットは、

  • 結局は借金ですし、契約者貸付制度を利用して借りたお金に対して利息がかかります。(保険会社、加入時期によって異なり、2~5%程度)
  • 借りている金額と利息分の合計が、保険会社の設定している借入限度額を超えた場合は、強制的に解約されてしまう場合があります。

デメリットにあるように、借金であることに変わりありませんので、あくまでも最後の手段として考えておきましょう。

学資保険の掛金を減らせば続けられるか?も確認

いきなり解約してしまう前に、毎月の保険料が下がれば続けられる、といった場合は、まず減額や特約の見直しができるかを考えましょう。

保険会社によってできる幅は違いますが、毎月の保険料を半額に出来たり、特約を外すことで毎月数千円安くなったりする場合もあります。

もちろん、特約を外してしまえば特約の保障は受けられなくなりますし、減額が出来た場合はその分満期保険金は見直しされます。
それでも、解約せずに今までの積み立てた分を継続できるのは嬉しいですね。

学資保険の解約するときは契約期間と返戻率をよくチェックしておこう

どうしても解約をしようという場合には、タイミングも意識する必要があります。

一般的には、学資保険の加入時に、定款と合わせて契約年数と返戻率を示した表を受け取れますので、その表を確認しながら一番良い解約のタイミングを見定めていきましょう。

中には解約のタイミングを1ヶ月ずらすだけで、解約返戻率が一気に上がって元本割れも回避できる、といった場合もあります。

学資保険の解約手続き方法と注意点

一般的に解約時必要なものは、下記の通りです。

  • 保険証券
  • 印鑑
  • 本人確認書類

保険会社によっては所定の書類が別に必要になったり、本人確認書類にも数(2種類以上必要な場合)や内容(運転免許証でないとダメ、住民票がないとダメ、等)の指定が入る場合もありますので、詳細は要確認ですね。

また、保険証券を確認して、【受取人】が子供の名前である時は、解約前に1つやっておきたいことがあります。
受取人を子供から契約者本人へ、変更手続きしてから解約をしてください。

なぜなら、受取人が子供の場合、保険金に【贈与税】(年間110万円以上を受け取る場合)がかかるからです。
受取人が契約者本人である場合の【所得税】という取り扱いよりも税金が多くかかってしまうので、注意してくださいね。

【関連ページ】学資保険と税金について

契約者以外の解約手続きには委任状が必要

学資保険を解約するにあたって、保険会社の窓口に行く必要がある場合、『契約者本人が仕事の都合で中々足を運べない』といった可能性もありますよね。

その場合は、委任状を準備すれば、家族が代理で手続きできます。

委任状は、下の項目を書いておけばどんな書き方でも構いません。

  • 日付
  • 契約者名、住所等
  • 代理人名、住所等
  • 保険証券番号
  • 委任する事柄(解約手続きの旨)

※契約者本人の印鑑と自署は必要です。
※代理人は、かならず運転免許証などの本人確認できる書類を持って行かなくてはいけません。

保険会社の公式サイトに、委任状フォーマットが用意されている場合は、それを使うと手っ取り早いですね。

離婚による学資保険の解約をする時の注意点

仮に離婚を原因として学資保険の解約を検討している場合は、離婚が成立する【前】に協議することをお勧めします。


離婚後の事例として、父親が単身者となり、母親が子供を引き取ってシングルマザーとなる場合で考えてみます。

一般的に学資保険の契約者が父親で、受取人も父親にしている場合が多いです。

仮に学資金の受取人が父親のままで離婚をし、そのまま父親が保険料を払い続けて満期を迎えた場合、子供の教育資金にせずに父親が自分の好きなように使うケースもあります。
(離婚したとは言え、大切な子どものために積み立ててきたお金なので、子どもの教育資金として渡す父親が大半だとは思いますが、稀に全て自分のために使ってしまう親もいます。)

離婚した後に学資保険の受取人変更についての話し合いをするのは、心理的にも物理的にも難しくなるので、必ず離婚成立前に保険会社に連絡をして早めに対応しておく方がいいですね。

学資保険の解約返戻金はいつ入金される?

解約返戻金は、まず契約者との解約手続きを終えて、保険会社での解約処理が完了してから入金されます。

保険会社ごとによっても違いますし、土日祝日は対応してもらえませんが、概ね数日〜1週間程度で入金されますよ。

学資保険の解約返戻金を1日でも早く入金させるには?

一般的にはweb上の申し込みよりも、窓口や担当者と会って解約の手続きを直接する方が早い傾向にあります。

理由は、保険会社の解約手続きに必要な書類や印鑑等全て揃った状態で話が進むからです。

また、web上の手続きでは、事務員が解約申込データを確認したり、担当者に解約の旨を報告する、別途書類の郵送のやり取りで時間がかかる、と待ち時間がどうしても多くなってしまう点もありますね…。

ですので、最初から解約に必要なものを揃えて、明確な意思表示をして手続きを直接進めれば、よりスムーズに解約返戻金の入金をしてもらえます。

学資保険の解約後は「低解約返戻金型終身保険」が安くていいという声もあるが…

低解約返戻金型終身保険とは、保険料の払込を終えるまでの中途解約時の返戻率を下げることで、毎月の保険料を安くした生命保険商品です。

払込完了以降の解約返戻率が一気に高くなるので、そのタイミングの解約で学資保険と同様な解約返戻金を期待でき、かつ毎月の保険料も学資保険より安くて済むという特徴があります。

終身保険ではありますので、多くの商品が払込終了の期間を55歳以降の年齢にしているのですが、一部商品では、払込期間10年以上といった年数設定での契約が可能です。

例えば、契約者の年齢ではなく支払い年数で契約できる商品を選択します。
そして支払い期間を15年払いにして、きちんと払込を終えて15年後(子供の0歳時に加入していれば高校入学時)で解約してもいいですし、3年間据え置いて、18年後(大学入学のタイミング)に解約することもできますね。

上記例での運用であれば、契約者の年齢が仮に30歳(15年間の支払い後は45歳)でも、払込を終えて高い解約返戻金を期待できます。

また、15年後〜18年後の据え置き期間も、保障はもちろん継続できますし、利率はかかり続けるので、払込終了直後よりも高い解約返戻金を受け取れます。

ですが、1点注意が必要です。

低解約返戻金型終身保険は、払込が完了していない段階で解約すると、返戻率が7割程度までにしかなりません。

かなり損をしてしまうので、毎月の保険料を確認し、確実に払い続けられると思えない場合は避けた方がいいでしょう。

学資保険を解約する前に代替案を検討しよう

監修者:FP林泉

学資保険を解約すると、予定していた時期に保険金が受け取れないだけでなく、契約時に想定していたよりも返戻率が大きく下がる、といったデメリットがあります。

しかも、再加入しようとすると、最初に学資保険に加入したときよりも親も子も年齢が上がっているため、良くない(返戻率が低い)条件でしか加入できなくなるのも辛いところですね。

どうしてもお金が必要なときや保険料の支払いが困難になったときは、まずは家計に大きな負担となっている学資保険の解約を考えるかもしれません。

しかし、解約のデメリットも多いですので、安易に解約を実行するのではなく、契約者貸付制度や保険プランの変更などの代替案もかならず検討してから解約を選ぶようにしてください。

監修:FP林泉