学資保険とジュニアNISAのメリット・デメリット【貯まるのはどっち?】

学資保険とジュニアNISAの違い

学資保険やジュニアNISAは、子どもの教育資金を作るのに役立ちますが、お金の貯まり方がそれぞれ違います。

このページでは、学資保険やジュニアNISAの特徴メリット・デメリット、各方法でのお金の貯まり方シミュレーションどんな場合にどっちを選ぶべきなのか?などを説明していきます。

≪基礎≫学資保険とジュニアNISAの特徴


学資保険とは、その名の通り子どもの将来にかかる教育資金を準備するための保険です。

保険金の額や受け取る時期はある程度自由に決められるので、中学受験や大学進学などの資金が必要なときに備えてしっかりと貯蓄できます。
保険料の総額よりも受け取れる保険金の額が多い保険もあり、返戻率の高さが魅力。

払込方法には、月々一定の保険料を支払う月払いや、契約時に一括で支払う一時払いなどがあり、資金の状況によって無理のない選択が可能です。
(その他にも、半年払い・年払い・全期前納などもあります。)

また、子どもが生まれる前から保険に加入できる出生前特約や、契約者が亡くなったときに以後の保険料の支払いが免除になる特約など、貯蓄とともに保障面も充実させることができます。


ジュニアNISA(未成年少額投資非課税制度)とは、0歳から19歳の子どもを対象とした資産運用のための制度です。

学資保険のように保険料を支払うのではなく、ジュニアNISA用の口座に資金を預け、上場株式や投資信託などの商品を売買して資産運用を行います。

金融機関によっては最低100円からの投資も可能で、年間80万円までの投資であれば、そこで得た利益や配当金などに税金がかかりません。
非課税投資の期間は最長で5年間、合計400万円まで。

また、5年間の非課税期間が終わったあとも、所定の投資枠へ繰り越すことで非課税のまま投資を継続することができます。
ただし、18歳まで資金の払い出しは制限されており、口座の開設についても1人1口座となっています。

学資保険とジュニアNISAそれぞれのメリットとデメリット

学資保険メリットは、安定した貯蓄が可能な点です。


保険料を計画的に払い込むことで、必要な時期に向けて教育資金を準備できます。

また、生命保険料の所得控除やもしものときの払込免除などのメリットもあります。

デメリットは、金利が固定されている点。

受け取れる金額は、景気の変動(に伴う金利の変化)に伴って、減ったり増えたりはしませんが、払込期間中に途中解約をすると、多くの場合は【今まで払った保険料の総額】よりも受け取れる額が減る可能性が高いです。

ジュニアNISAメリットは、非課税投資ができる点です。

投資で得た利益には本来20%の税金がかかりますが、ジュニアNISAでは年間80万円までの投資枠が非課税対象となります。
生前贈与の使いみちとしても有効と言えるでしょう。

一方、デメリットは、元本が保証されていない点です。

運用が上手くいかなかった場合には、投資した資金が減ってしまうリスクを伴います。

また、子どもが18歳になるまで資金の引き出しが制限されており、途中で引き出した場合は、ジュニアNISAの口座で受け取った過去の利益に対してもさかのぼって全て課税されることになります。
(ただし、災害などで緊急にお金が必要で引き出した場合は、税務署の承認を受けた場合のみ、非課税となります。)

≪補足≫ジュニアNISAより低リスクの「つみたてNISA」もある

つみたてNISAは20歳以上を対象とした積立式の投資商品です。
非課税投資の上限は年間40万円と低く、非課税となる期間は20年と長いのが特徴。
少ない額から投資できるため、まとまった資金がなくても長期的な資産形成が可能です。

また、口座からの引き出しに制限はなく、途中で金融機関を変更することもできます。
投資商品は、国が定めたリスクの少ない投資信託のみなので、投資初心者でも比較的簡単に始められます。

学資保険とジュニアNISAでお金の増え方をシミュレーション

学資保険で200万円の教育資金を貯める場合と、同じ条件でジュニアNISAを運用した場合の資産の増え方を比べました。

学資保険の契約内容は、以下の通りです。
※ここでは、ソニー生命の「学資保険(無配当)Ⅲ型」を例として挙げています。

契約者:30歳男性
子ども:0歳
払込方法:月払い
払込期間:10年(子どもが10歳になるまで)
総学資金:200万円(40万円×5回)


この学資保険では、18歳から22歳まで毎年40万円ずつ、合計で200万円の学資金を受け取れます。
この場合の保険料は月々15,540円、払込総額は1,864,800円となります。
保険料の総額と学資金の差額は125,200円、返戻率は約107.2%です。

次に、ジュニアNISAで10年間、月々15,540円を運用した場合を見ていきましょう。

年利回りを2%として計算すると、保険料の払込総額と同じ1,864,800円を運用した場合の最終的な資産は2,062,464円となります。
投資利益は197,664円、返戻率に換算すると約110.5%となり、学資保険よりも高くなることがわかります。
その後、月々の積み立てをやめたとしても、子どもが18歳になるまで非課税投資枠に繰り越ししていくことで、さらに資金を増やすことも可能です。

また、子どもが18歳になったときにちょうど200万円貯まるように、ジュニアNISAで運用した場合を見てみましょう。

年利回りを2%として計算すると、月々7,700円を運用することで18年後には利益も含めた資産が約200万円に到達します。
投資した総額は1,663,200円と安く抑えられるだけでなく、返戻率はこの中で最も高い約120%となります。

ただし、この数値はあくまでも年利回りを2%の場合です。
利回りが低くなればその分投資で得られる利益や返戻率も低くなることを注意しておきましょう。

学資保険とジュニアNISAはそれぞれどんな人に向いている?

学資保険は、一定の保険料を支払うことで、決められた時期に一定の保険金を受け取れます。
そのため、安定重視で計画的に資金を準備したい人や、予定した通りの金額を受け取りたい人に向いています。

ジュニアNISAは、投資リスクはあるものの上手くいけば資産を大きく増やすことも可能です。
また、最低100円から投資でき、年間80万円までならどのタイミングで投資しても非課税対象となります。
そのため、運用でより多くの資産を残したい人や、少額から投資を始めたい人に向いています。

学資保険とジュニアNISAを併用して教育資金を貯める手もアリ

学資保険だけで教育資金を準備するとなると、大学の授業料の値上がりや物価の高騰などによって資金が足りなくなる可能性があります。
そこで、安定性のある学資保険で計画的に貯蓄しながら、ジュニアNISAやつみたてNISAで資産を増やすことを検討してみましょう。

実際に学資保険とジュニアNISAを併用するなら、教育資金として毎月積み立てるお金を7対3程度に分けるのがおすすめ。
たとえば、15,000円を教育資金として毎月積み立てるなら、10,000円を学資保険の保険料とし、5,000円をジュニアNISAに回してみましょう。

学資保険はなによりも途中解約しないことが大切です。
そのため、毎月余裕を持って支払える7割程度を保険料として確保し、そのほかを資産運用へと考えておくと安心ですよ。

選択肢とバランスが重要

監修者:FP阿久津和宏

積立の手段を検討する際には、以下の3つのことを確認することがオススメです。

■選択肢
また、教育資金の準備に「生命保険」を活用する場合、学資保険以外の方法も検討することもできます。

場合によっては、それよりも有利になるケースもあります。

参考:学資保険の代わりになる?終身保険・ドル建て保険・投資信託と比較

■バランス
商品や積立方法などを検討する際に、重要な3つのポイントは、「元本が減らないか?」「有利に資産を増やせるか?」「必要なときに引き出しできるか?」という点です。

これらと積立方法をリンクさせて、ライフプランに合わせた資産形成法のバランスを確認していくと良いでしょう。

■使い方
「学資保険」は払込期間中に解約する場合、「払込保険料」よりも「解約返戻金」(戻ってくる額)は減ってしまう可能性が高いですが、解約返戻金の一定割合は、契約者貸付という形で引き出すことができます。(利息は発生します)

また、途中引き出しは不利になる点でデメリットですが、教育資金を強制的に貯めるという視点では有効とも言えます。

解約時に不利になる点が「心理的抑制」にも繋がりやすいです。

これらの考え方をご自身に置き換えて、検討し、プロの意見と総合的に考慮すると更によいでしょう。

監修:FP阿久津和宏