元本割れしない学資保険の見分けかた【損せずコツコツ貯める方法】

「『学資保険でも元本割れを起こすことがある』と知り合いから聞いた」

「一体どんな条件で契約すると元本割れを起こすんだろう…」

「元本割れを起こしにくいタイプの学資保険はないのかな?」

子どもの教育資金を貯めるのが目的で学資保険に入っているのに、元本割れを起こして受け取れるお金が減ってしまうなんて本末転倒な話です。
それなら銀行の定期預金の方がまだマシですよね。

学資保険は、基本的に元本割れしないのがほとんどですが、契約条件によっては返戻率が90%台になるケースもあります。

このページでは、元本割れを起こさない学資保険の見分け方、元本割れを起こしてしまう条件などについて詳しく説明していきます。

元本割れを起こすラインはどこなのか?各保険会社の学資保険ごとにシミュレーションもしておいたので参考にしてください。

元本割れしない学資保険を見分ける4つのポイント

<ポイント1>
返戻率が高い

元本割れとは、保険の返戻率でいうと100%未満のことを指し、支払った保険料の総額が受け取る保険金未満のとき、元本割れになってしまいます。

つまり、返戻率が100%以上の学資保険を選ばないといけません。

学資保険の返戻率は各保険会社によって違うため、同条件でシミュレーションをして一番高い返戻率の学資保険を選びましょう。

返戻率の高い学資保険を紹介しているページを作っておいたので、シミュレーションをするのが面倒な方は、ぜひ参考にしてみてください。

⇒返戻率が高いおすすめ学資保険

<ポイント2>
医療保障に関する特約が付いていない(貯蓄型である)

学資保険には、“保険”の役割である「死亡保障」と「払込免除特約」が標準で付いていますが、子どもが病気やケガをしたときの備えとして、入院・手術などの保障がセットになったもの(保障型)もあります。

※ 死亡保障 … 子ども(被保険者)が亡くなった場合、積み立てた総額が給付される
※ 払込免除特約 … パパやママ(契約者)が亡くなった場合、保険料の払い込みナシで保険を継続できる

一般的な医療保険では、保障が手厚くなると毎月支払う保険料が上がりますが、学資保険の場合は保険料がそこまで高くならない代わりに
積み立て総額 > 学資保険としての給付総額
となってしまいます。

つまり、元々は元本割れしていない学資保険であっても、医療保険を特約で付けることで元本割れしてしまうのです。

例)毎月15,000円の保険料を18年間払い込んで、総額324万円積み立てた場合
→ 学資金として300万円戻ってきた → 24万円マイナス(返戻率92.5%)
「24万円で18年間、医療保険に入っていた」と考えると分かりやすいですね。

元本割れする学資保険に入りたくない人は、上のような保障型ではなく、医療保障が付いていない『貯蓄型』のものを選んでください。

『貯蓄型』『保障型』はどんな人向き?
貯蓄型の学資保険は、

  • 教育資金をコツコツ貯めたい
  • 銀行の利息よりも高いところで貯めたい
  • 医療保険は他で良いのに入っているから不要

という人に向いています。

保障型の学資保険は、

  • 積み立てもできる医療保険を探している
  • 医療保障を今よりも手厚くしたい

という人に向いています。

ただし、医療保険は終身タイプであることが多いですが、学資保険は18年や22年の有期タイプが一般的です。

保険が満期を迎えると、特約の医療保険部分も利用できなくなるので、医療保険が必要な方は、別途、医療保険に加入しなおさなくてはいけません。

<ポイント3>
保険料の払込期間が短いか

学資保険の掛金は「子どもが大学に入学するまで」(18年間)払い込むのが一般的ですが、この払込期間が15年・10年・5年と短くなればなるほど返戻率が高くなるので、元本割れしにくくなります。

なぜ返戻率が高くになるのか?は下図のとおり。

最終的に200万円貯めると仮定して、毎月の払い込み保険料を単純に計算すると次のようになります。

払込期間 毎月の保険料 元本割れ
5年 約33,333円 ほぼしない
10年 約16,667円
15年 約11,111円
18年 約9,260円 しやすい

ただ、元本割れしないように払込期間を短くすると、毎月の保険料がかなり上がってしまいますね。

大半の保険会社では、学資保険の契約時に1年単位で払込期間を設定できるようになっているので、収入と支出のバランスを考えながら無理のない払い込み額になるよう調整して下さい。

<ポイント4>
大学入学から卒業まで学資金を毎年受け取るタイプがあるか

学資保険は『保険会社に長い期間お金を預けている方が元本割れしにくい』という特徴があります。

小中高の入学タイミングで10万円や20万円などの一時金が支給されるタイプは結果的に返戻率が下がり、元本割れのリスクが高くなるので注意です。

■学資金の受け取り方と元本割れの関係

学資金の受け取り方 元本割れ
大学入学時+卒業まで毎年1回 ほぼしない
大学入学時に全額
小中高+大学入学時 しやすい

学資金の受け取り方は、大きく分けると上の3種類です。
(保険によっては、小中高+大学入学時に加えて、幼稚園入園時に、一時金を受け取れるものもあります。)

どのタイミングでどれくらいの教育資金が必要になるのか?学資保険の積立金だけで足りるのか?をシミュレーションした上で、自分に合った“学資金の受け取り方”を選んでください。

■「元本割れ」とはどんな状態のことを言うの?
投資においてよく使われる言葉で、学資保険では『もらえる学資金の総額が、積み立てた総額よりも下回ること』を意味します。

例えば、毎月15,000円の積み立てを15年間した場合、270万円貯まりますが、学資金として給付されたのが260万円なら10万円分損をしたことになりますね。(返戻率で表すと96.2%)
返戻率が100%未満なら元本割れ、と覚えておいてください。

利率が変動するタイプの積立保険では、この元本割れのリスクがかなり高くなります。
一方、学資保険の場合は「契約するときに返戻率が決まり、満期になるまで利率が固定される」ため、契約する際に返戻率が100%を超えているのかしっかりと確認しておいてくださいね。

学資保険で元本割れしない・損しないラインを実際にシミュレーション

この学資保険は元本割れしないよ!と勧めているサイトがいくつかありますが、契約時に設定する条件によっては、元本割れをする危険性はあります。

上の項目で説明したことだけでなく、『契約者と子どもの年齢』も返戻率に関わってくるため、どんな条件だと元本割れしないのか?各保険会社の学資保険を例に挙げてシミュレーションしていきますね。

【シミュレーション[1]】
ソニー生命「学資保険」

固定条件:学資金の受取額200万円、保険料月払い、払込期間18年、学資金の受け取りタイプは“大学入学時+卒業まで毎年”

契約者の年齢 子どもの年齢 返戻率
20歳 0歳 104.10%
1歳 102.40%
2歳 100.70%
3~4歳 取扱いなし
30歳 0歳 103.80%
1歳 102.10%
2歳 100.40%
3~4歳 取扱いなし
40歳 0歳 102.60%
1歳 101.00%
2~4歳 取扱いなし
50歳 0~4歳 取扱いなし
60歳
62歳

ソニー生命の公式サイトにある「学資保険シミュレーション」を実際に使ってみると、元本割れを起こす条件ではシミュレーション結果が出ないようになっています。
(上の表でいうところの『取扱いなし』部分)

これは、学資保険で元本割れはあってはならない!というソニー生命の考え方と捉えて良いでしょう。

『取扱いなし』の部分は、15歳まで・10歳までに払込完了というように、保険料の払込期間を短くすることで、契約可能になるケースもあります。

ソニー生命の「学資保険スクエア」という公式サイトには、契約者と子どもの生年月日を設定してボタンを押すと、元本割れしない学資保険のプラン例が2種類表示されるシミュレーションページがあるので活用して下さい。

【シミュレーション[2]】
明治安田生命「つみたて学資」

固定条件:学資金の受取額200万円、保険料月払い、払込期間15年、学資金の受け取りタイプは“大学入学時+卒業まで毎年”

契約者の年齢 子どもの年齢 返戻率
20歳 0~6歳 102.9~101.6%
30歳 102.7~101.6%
40歳 101.7~101.1%
41歳 0~1歳 101.6~101.5%
42歳 101.4~101.3%
43歳 101.20%
44歳 101.00%
45歳 100.70%
41~45歳 2~6歳 100%未満
元本割れ

明治安田生命の「つみたて学資」のシミュレーションは、契約者と子どもの年齢によって元本割れするかしないか?が変わってきます。

契約者の年齢が20~40歳なら、どんな条件でも元本割れはしませんが、41歳以降に契約するときは子供の年齢が2歳以上だと元本割れを起こしてしまいます。

【シミュレーション[3]】
フコク生命「みらいのつばさ」

※固定条件:学資金の受取額200万円、保険料月払い、払込期間17年

契約者の年齢 子どもの年齢 返戻率
ジャンプ型 ステップ型
20歳 0~7歳 102.2~101.0% 101.4~100.8%
30歳 101.9~101.0% 101.2~100.7%
40歳 0~1歳 100.7~100.6% 100%未満
元本割れ
2~7歳 100.5~100.4% 100.2~100.0%
41歳 0~4歳 100.5~100.4% 100%未満
元本割れ
5~7歳 100.4~100.3% 100.10%
42歳 0~6歳 100.3~100.2% 100%未満
元本割れ
7歳 100.20% 100.00%

フコク生命の「みらいのつばさ」も、契約者と子どもの年齢を選んでシミュレーションをする形式で、学資金の受け取りタイプ別に結果が表示されます。

(ジャンプ型=大学入学時に一括受け取り、ステップ型=大学入学時+幼小中高のタイミングでも一時金受け取り)

契約者が40歳までなら元本割れは起きませんが、40歳からはステップ型に限り、子供の年齢次第で元本割れとなるケースがあります。

全体の返戻率を見ても102.2~100.0%と、そこまで大きくないため、返戻率を重視して学資保険を選ぶなら、一番最初にシミュレーションをしたソニー生命の学資保険が良いでしょう。

【シミュレーション[4]】
日本生命「ニッセイ学資保険」

※固定条件:学資金の受取額300万円、保険料月払い、払込期間18年、学資金の受け取りは“大学入学時+卒業まで毎年1回”のタイプ

契約者の年齢 子どもの年齢 返戻率
20歳 0~6歳 104.4~101.7%
30歳 104.0~101.6%
40歳 102.7~101.6%
45歳 0~2歳 101.3~101.0%
3~6歳 100%未満
元本割れ

ニッセイの学資保険は、契約者が45歳以上&子どもが3歳以上で元本割れを起こすため、シミュレーション結果は出ません。

その代わりに、保険料の払込期間が5年に設定された状態で返戻率が表示されます。

5年で払込が完了する場合、107%~105%と返戻率は高くなりますが、月払い保険料が5万円前後となってしまい、家計的にあまり現実的とは言えません…。

【シミュレーション[5]】
アフラック「夢みるこどもの学資保険」

※固定条件:学資金の受取額240万円、保険料月払い、払込期間18年、学資金の受け取りは“高校入学時+大学入学時+卒業まで毎年1回”のタイプ

契約者の年齢 子どもの年齢 返戻率
20歳 0~7歳 96.5~96.2%
元本割れ
30歳 96.2~96.1%
元本割れ
40歳 0~6歳 94.9~95.5%
元本割れ
7歳 取扱いなし
50歳 0歳 91.9%
元本割れ
1~7歳 取扱いなし

アフラックの学資保険は、契約者や子どもの年齢問わず「元本割れ」となります。

学資金の受け取り額を多くしても、年払いにしても、払込期間を10年に設定しても、返戻率が100%を上回ることはありません。

アフラックの公式サイトにも『累計払込保険料を上回らない』と書かれているので、教育資金を貯める目的では使えませんね…。

元本が保証されている定期預金と比べると、途中で契約者が死亡したときや高度障害になったときなどは、保険料の払い込みが免除されて、なおかつ保険金は受け取れますので、アフラックの学資保険の方がお得になります。
このようなタイプの学資保険もあるんだな、と知っておいて下さい。

学資保険は途中解約すると元本割れしやすい

返戻率108%のとてもいい学資保険を見つけて加入した!
でも、月々の支払いがだんだん厳しくなってきて払うのが辛い…

まだ5年しか積み立ててないけど、解約して貯まった分だけでも返してもらおう。

と、いう気持ちも分かりますが、これは最悪なパターンだったりします。

学資保険は、契約から一定の年数が経過していないと元本割れを起こしてしまうからなんです。

積み立て保険に入った事がある人なら知っていると思いますが、保険会社から送られてくる封筒には、保険証書と一緒に「返戻率が書かれた表」が入っています。

元本割れを防ぐには特約と契約時の年齢・祝金受取時期に注意しよう

監修者:FP林泉

一般的に学資保険は、返戻率が100%を超える貯蓄性の高い保険です。

しかし、医療保険などの特約を付加したとき保険料の払込期間が長いとき、こまめに祝い金を受け取るとき契約者の年齢が高いときなどは元本割れすることがあります。

学資保険は契約する際に返戻率が分かるタイプの保険ですので、かならず返戻率を確認してから契約するようにしてください。

しかし、返戻率が元本割れする学資保険も、絶対に損とは言い切れません。

学資保険は払込期間中に契約者が死亡あるいは高度障害状態になると保険料が免除され、なおかつ保険金は受け取れますので、万が一のときでも子供の学資を備えることができるのです。

ご自身が学資保険に何を求めているかを明らかにしてから、最適な保険商品や金融商品を選んでくださいね。

監修:FP林泉