「ネットで学資保険を調べてみても同じ保険会社なのにサイトによって返戻率が違う」
「何を基準に返戻率が決まっているんだろう?」
「できれば返戻率が0.1%でも高い学資保険に入りたい」
どの学資保険に入るか?を決める≪ものさし≫の一つである返戻率は、契約する内容(条件)によって最大10%ほど違ってきます。
何も知らずに保険会社の販売員に勧められるがまま、返戻率の低い学資保険に入ってしまわないよう『返戻率が決まるからくり』はシッカリと学んでおくべき!
このページでは、どんな内容だと返戻率が高くなるのか?低くなるのか?を、保険に詳しくない人でも分かるように一つずつ説明していきます。
学資保険の返戻率は5つの要素で変動する
2.被保険者(子ども)の年齢
3.保険料の払込期間と払い方
4.学資金の受け取り方
5.特約を付けるか否か
この5つの要素で返戻率がどう変わるのか?を、一つずつ順番に説明していきます。
《1》契約者の年齢
上のイラストのように、契約者の年齢が若ければ若いほど、死亡リスクが低いため支払う保険料は安くなります。
学資保険は貯蓄するものだから死亡するかしないかは関係ないのでは?と思うかもしれませんが、契約者が死亡した場合それ以降の保険料払込が免除される特約が付いているケースがほとんど。
払い込んだ保険料が1年だけだったとしても、最初の契約で決めた学資金は全額もらえる、ということなんですね。
※ただ、終身保険や定期保険の死亡保障は、亡くなった後すぐに死亡給付金をもらえますが、学資保険では契約時に決めた受け取り方に従って保険金が支払われます。
返戻率について、もっと詳しく知りたいなら下のページを確認してみてください。
学資保険の返戻率をアップするコツ-学資保険おすすめランキング
《2》被保険者の年齢
契約者だけでなく、被保険者である子どもの年齢が若いと返戻率は上がります。
子どもが0歳の時から保険料を支払うのと、3歳になってから払い始めるのとでは、保険会社にお金を預けている期間が変わってきますよね。
その期間が長くなるほど、保険会社が資産運用をする期間が長くなるので、そのお礼として返戻率が少しUPします。
子どもの年齢には上限(だいたい3歳までに設定している会社が多い)があるため、お子さんがいる場合は早めに加入しておいた方がいいですね。
■子どもの年齢だけを変更した場合の返戻率
子どもの年齢 (被保険者の年齢) |
返戻率 |
0歳 | 105.5% |
1歳 | 103.7% |
2歳 | 102.0% |
3歳 | 100.2% |
※ソニー生命の学資保険III型、22歳満期、総受取額200万円、10年払込、月払いの条件で比較(2020年4月の利率で計算)
返戻率が高くて人気のソニー生命の学資保険を例にだして比べてみましたが、0歳と3歳では返戻率が5.3%も変わってきます。
総払込額は、0歳→1,894,560円、3歳→1,995,168円となるため、0歳に加入した方が3歳よりも100608円増えて戻ってきますね。
学資保険は生まれる140日前から申し込めるので、妊娠中にどの学資保険がいいか?をある程度絞っておくのも◎です。
《3》保険料の払込期間と払い方
こちらも理屈は「被保険者の年齢」と同じで、払込期間が短い=早くお金が集まるため、その分返戻率が高くなります。
一括払いにすると返戻率が110%近くまで上がるケースもありますが、学資保険を使ってこれからコツコツと教育資金を貯めていこう!と考えている人の方が多いと思うので、一括払いは選択されないことが多いですね。(年払いを選ぶ人もあまりいません…)
月払いの場合、中学入学までには払込が終わる『10年払い』もしくは、給付開始の大学入学時まで払い込む『18年払い』のどちらかに設定している人が多いです。
払込期間が短くなると、支払い月額が上がるため生活がそんなに苦しくない人は10年払い、割と苦しいかも?これから苦しくなるかも?という人は18年払いで設定するといいでしょう。
詳しくは下記ページに記載しています。
《4》学資保険の受け取り方
これも「被保険者の年齢」と同じで、保険会社にどれだけ長くお金を預けているか?という部分が返戻率アップに繋がっています。
大学入学時に学資金をもらい始めて、大学卒業時の22歳で受け取りが完了する(満期になる)パターンが返戻率は一番高くなりますが、各家庭でお金が必要なタイミングは違いますよね。
必要な時期に必要な分の学資金を使えるように設定しておかないと、学資保険の意味がありません。
返戻率を高くすることに気を取られて、本来の目的を見失わないよう注意してください。
受け取り方と返戻率についてもっと詳しく知りたいなら下のページをご覧下さい、
《5》特約を付けるか付けないか
多くの保険会社では、学資保険に貯蓄型と保障型の二種類のタイプを準備しています。
貯蓄型の学資保険は、余計な特約が付けられないようになっているので、返戻率がダウンすることはほぼありません。
しかし、保障型の学資保険は、医療特約(入院・がん・先進医療・手術・高度障害など)を組み込めるようになっており、学資金の貯蓄をしながらある程度の保障も受けられる、といった特徴があります。
特約をたくさん付けて保障を手厚くした分、返戻率が下がり100%を切る内容になることがほとんどだったり…。
人気の条件で学資保険の返戻率を比較!
学資保険の契約で一番多いパターンは次のとおりです。
- 契約者30歳
- 子ども0歳
- 払込期間10年
- 月払い
- 総受取額200万円
- 大学入学時から毎年受け取る
(22歳満期まで)
この条件で、各保険会社の学資保険の返戻率が何%なのか?をシミュレーションして比較してみました。
■各学資保険の返戻率を比較
保険会社 学資保険名 | 返戻率 |
---|---|
ソニー生命 学資保険III型 | 102.6~105.5% |
明治安田生命 つみたて学資 | 102.7~105.7% |
フコク生命 みらいのつばさ | 101.2~105.5% |
日本生命 ニッセイ学資保険 | 102.2~104.4% |
JA共済 こども共済 学資応援隊 | 103.80% |
アフラック 夢みるこどもの学資保険 | 96.2%~98.1 |
かんぽ生命 はじめのかんぽ | 積極的な提案自粛のため不明 |
住友生命 たのしみキャンバス | 約101.7% |
※2020年4月の時点で試算
このように比較表にまとめると返戻率の違いが分かりますが、実はコレあまり正確なデータではなかったりします。
というのも、保険会社によって設定できる条件が若干違うため、比較軸をピッタリと合わせられないといった事情があるんですね。
人気の条件とどんな部分が違うのか?下にまとめておきました。
■条件が違う部分
保険会社 | 条件が異なる部分 |
---|---|
フコク生命 | ・払込期間11年 ・18歳と22歳に100万円ずつ受け取る |
日本生命 | ・総受取額180万円 |
JA共済 | ・払込期間11年 |
アフラック | ・総受取額180万円 ・高校入学時も1回受け取る |
かんぽ生命 | ・払込期間11年 ・大学入学時に全額受け取る |
住友生命 | ・払込期間12年 ・総受取額300万円 |
払込期間は1~2年の違いなのでそこまで気になりませんが、学資金を受け取るタイミングや総受取額は割と違いが大きいので、いざ保険金を受け取る時に「アレ?全然足りない」とならないように、よくチェックしておきたいところですね。
自分にピッタリの学資保険を見つけたい人は【保険相談サービス】がオススメ
このページで紹介した『返戻率が決まる要素』だけでも数百とおりの組み合わせがありますが、そこに総受取額の設定も絡んでくると組み合わせパターンは更に増えてしまいます。
(50~1,000万円までの範囲で50万円刻みで総受取額が設定できるケースが多い)
各保険会社の公式サイトでは、限られた条件でしか保険料のシミュレーションができないため、希望の条件で試算をするには保険会社の営業担当と会って話をしないといけません。
保険会社の営業スタッフと話すとなると、“死亡保険の見直し”や“新規契約の勧誘”がほぼ確実に付いてきます…。
個人情報を保険会社に渡すことになるので、定期的な訪問が鬱陶しく感じることもあるでしょう。
そんな時にオススメなのが保険相談サービス。
■保険相談サービスを使うと
「こんな内容の保険を探している」という条件をFP(ファイナンシャルプランナー)に伝えると、FPがたくさんの保険会社の中から最も適した内容の学資保険を探してくれます。
お金に関する知識を豊富に持つFPが選んでくれるので、何も知らない自分がなんとなく決めるよりも確かだと言えますね。
具体的にどんな保険相談サービスがあるのか?どこが口コミで評価がいいのか?といったことをまとめているページも作っておいたので、ぜひ参考にしてください。
保険相談おすすめランキング≪口コミ・評判で人気のショップTOP5≫
学資保険は家計やライフプランに合ったものを選ぶ
学資保険の返戻率を高めるためには、契約者や子供が若いうちに加入したり、保険料の払込期間を短くしたり、払込回数を少なくする必要があります。
その結果、毎月の保険料が高額になる・家計に余裕がなくなるということも…。
このような状態になると、後に保険料が払えなくなり、解約をした結果、元本割れが発生し損をしてしまう事態になりかねません。
このため、学資保険は家計やライフプランに合ったものに加入する必要がありますが、自分に合っている学資保険を選ぶのは難しい場合があります。
そんな時は、『保険の窓口』や『保険見直しラボ』などの保険相談サービスで紹介してくれる、優秀なFP(ファイナンシャルプランナー)に相談すると、自分にピッタリの学資保険が見つかりやすいです。
監修:FP品木彰